2023.08.04

スナネコってどんな猫？砂漠の天使「スナネコ」の豆知識や会える動物園を紹介！

近年その見た目がかわいいと話題になっている「スナネコ」。砂漠地域に生息する希少な小型の猫です。“砂漠の天使”と呼ばれるほど愛らしい姿ですが、ペットとしての需要が増えると絶滅危惧種に指定されてしまうことが懸念されています。今回はこの「スナネコ」について、豆知識と、日本でスナネコに会える動物園も一緒に紹介します。

※この記事は2023年7月27日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

スナネコの豆知識

“砂漠の天使”と呼ばれているけど食べるものはワイルド

世界最小級の野生ネコである「スナネコ」は、その名の通り砂漠地域に生息するネコです。アラブ首長国連邦を中心とする中東やアフリカなどの乾燥した砂漠地帯に多く生息しています。大きさは体重約2～3kg、体長約39～57cm程度と、一般的な家猫と比べるとかなり軽くて小型です。

小型で可愛らしい見た目ですが肉食なので、野生のスナネコはネズミ（げっ歯類）や鳥類、爬虫類、昆虫なども食べます。動物園では鶏肉や馬肉、ヒヨコなどをワイルドに食べているのだとか。

砂漠で生きるために耳の内側や足裏に長い毛が生えている

砂漠で生きるスナネコは、過酷な地で生きるための様々な特徴を持っています。大きな三角形をした耳は遠くの音までよく拾いますが、耳道に砂が入るのを防ぐため、耳の内側に長い毛が生えています。熱い砂の上を歩いても火傷をしないよう、猫の特徴でもある肉球を覆うように足裏にも長い毛が生えています。また、毛色は「灰黄色（はいこうしょく）」と呼ばれる灰色がかった黄色で、砂漠で見つかりにくい色なのも特徴です。

大きな耳に少し中心に寄った逆三角の顔。見た目の愛らしさは言わずもがなですが、たまに聞こえてくる鳴き声は「ギャウ！ヴァウ！」など低めの唸るような声でワイルド。そのギャップもポイントです。

見た目はかわいいけど人には懐きません！

見た目のかわいさが話題になっているスナネコ。現在スナネコは絶滅危惧種に指定されていませんが、ペットとしての需要が増えてしまうと密猟が増え、絶滅危惧種に指定されてしまう可能性があります。

どことなく家猫とも似ていますし、小型なのでいつまでも子猫のようですが、れっきとした野生動物なので牙も鋭く気性も荒く、人にも懐かないそう。動物園でも「間接飼育」という飼育員と動物が同じ空間に入らないような飼育をしています。

また、スナネコは砂漠という特殊な環境に生息しているので生息地に近い環境を家の中で作り出すことが難しく、大きなストレスを与えることになります。スナネコのためにも動物園で愛でるのをおすすめします。

次からは、そんな希少なスナネコに会える日本の動物園を紹介していきます。

スナネコに会える動物園

那須どうぶつ王国【栃木県】

約150種600頭羽の動物たちが那須の広大な自然の中でのんびりと暮らしている那須どうぶつ王国。動物たちとの距離が近いので、じっくりと観察することができます。カピバラやアルパカなどのエサやり体験や、オットセイや猛禽類の身体能力を間近で感じられるパフォーマンスは必見。室内施設も充実しているので雨の日でも楽しめます。

そんな那須どうぶつ王国では、現在4頭のスナネコを飼育しています。ずっしりと存在感のあるオスの「シャリフ」、凛々しく美しいメスの「ジャミール」、ごはんが大好きなオスの「アルド」、新しく仲間に加わったオスの「ヤシュ」。どのスナネコに会えるかは当日のお楽しみ！
また、マヌルネコに続き「スナネコのうた　official MV」を公開。スナネコの魅力やペット化抑止の喚起が盛り込まれているのでぜひチェックしてみてください。（MVはこちら）

神戸どうぶつ王国【兵庫県】

色とりどりの花々や植物が生い茂る中で、動物たちがイキイキと暮らしている神戸どうぶつ王国。生息地に近い環境を整えて展示しているため、動物たちは生きのびるために進化し、身につけた能力をフルに発揮することが出来るのだとか。それは「臨場感」を越えて、ジャングルに遊びに来たかのような「没入感」で楽しめます。

2022年にスナネコの「ムスタ」＆「バリー」のペアから生まれた「ジウ」以外の子どもたちは、他の動物園に引越をしました。新たな場所で新しい命が続くよう、スナネコ兄弟たちの活躍に期待したいですね。現在神戸どうぶつ王国では、午前と午後に分けて、「ムスタ」、「バリー」＆「ジウ」を公開しています。まだまだやんちゃ盛りの「ジウ」に、是非会いに行ってくださいね。

長崎バイオパーク【長崎県】

本来の生態系になるべく近づけた環境の中で、動物たちが自由に暮らす「生態展示」方式を採用している動植物園。いたるところで動物たちにさわったり、園内で販売しているエサをあげたりすることができ、日常では味わえない体験が目白押しです。

ここで暮らしているスナネコはオスの「マフ」とメスの「ハディーヤ」。そして2022年の10 月に 2 頭の赤ちゃんが産まれました。アラビア語で満月という意味の「バドル」（オス）と、アラビア語で太陽という意味の「アッシャム」（メス）です。現在は「ハディーヤ」と「アッシャム」が同居しており、バドルとマフは日替わりで公開されています。

スナネコは夜行性で日中は1頭ずつ好きな場所を選んで寝ていることが多いですが、夕方には走り回ったりする姿を見られるかもしれません。

ネオパークオキナワ（名護自然動植物公園）【沖縄県】

地域による生物や植生、景観の違いなどを楽しみながら理解できるよう、出来る限り地域別にゾーニングし、同じ地域の動物と植物を組み合わせるという展示をしている、珍しいタイプの動植物公園です。自然な空間を生み出し、垣根なく直接ふれあい、立体的に見られるよう様々な工夫が施されています。

この施設で会えるスナネコは、ぱっちりクリクリな目で、警戒心が強いメスの「サディーカ」と、つぶらな瞳がチャームポイントで、好奇心旺盛なメスの「マシュリク」。2頭の名前はアラビア語で、「サディーカ」は“友達”、「マシュリク」は“日が昇るところ”という意味があるそうです。朝と夕方に2頭でじゃれ合ったり、くっついて寝たりしているとっても愛らしい姿が見られます。

まとめ

“砂漠の天使”とも呼ばれる話題の「スナネコ」について、その生態や会える動物園を紹介しました。スナネコが絶滅することなく生きていける環境づくりが進み、出会える機会が多くなるといいですね。この可愛らしい姿を見たいと思った方はぜひ、動物園に足を運んでみてください。

【参考】WWF Japan

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