close

2019.08.17

あなたの知らない「ヘンな名湯」のディープな世界!勇気を出して行ってみませんか?【全国】

温泉本作家の岩本薫

え~、こんにちは。温泉本作家の岩本薫です。せっかくの休日、温泉に浸かってゆっくりしたいけど、いつもの温泉は行き飽きたなぁ。と、そんなことを思っているあなたのために、ボクの新作温泉本「ヘンな名湯」(みらいパブリッシング)から、選りすぐりの温泉をピックアップしました。

その名の通り、ヘンなのに湯はすこぶるいい、温泉マニアも太鼓判の名湯を4つご紹介します。かなりヘンな温泉ばかり。でも湯はすこぶるいい。だからハマる。クセにある。ようこそ、ヘンな名湯のディープな世界へ!

記事配信:じゃらんニュース

二子浦温泉【福島県いわき市】

ヘンな名湯とは、その名の通り、ヘンなのに湯はすこぶるいい、温泉マニアも太鼓判の名湯のこと。やっぱり、温泉は湯がいいに越したことがないですからね。

漁港

じゃあ、ヘンとはなにがどうヘンなのか?たとえばあなたは魚の水揚げ用のコンテナをご存知だろうか。ほら、よくテレビなんかで、今年も漁港に活きのいいサンマが水揚げされましたなんていうニュースで映るあれですよ。見覚えあるでしょ?

二子浦温泉

そんなコンテナが湯船の温泉があるといったら、あなたはどう思いますか?え?意味がよくわかんない。フツーそう思いますよね?ところがどっこい、あるんです、そんな温泉が。福島県いわき市にある「二子浦温泉」。ほら、どうですか、これ。ヘンでしょ?

二子浦温泉

さて、なにがどうなるとこうなっちゃうのか?理由はちゃんとあります。たまたま水産加工会社の社長さんが自分用に温泉を掘ったっていうんですね。

で、なんせ水産加工会社ですから、そこら辺にコンテナはいっぱいある。じゃあ、それを湯船にしちゃえばいいじゃないかと。で、温泉の湯の評判がいいので、今では一般の人にも開放しているというわけ。

二子浦温泉

でも、この湯船だからまたいいんです。大人3~4人でいっぱいのこぢんまりとしたサイズ。そこにフレッシュな源泉100%の湯がドバドバと惜しみなくかけ流されているのだ。

だから、浴感もピュアで素晴らしい。温泉は泉質もさることながら、湯の鮮度も重要なので、ここは泉質も鮮度も申し分ないのである。

日帰り入浴DATA
・営業時間/14:00~21:00
・定休日/なし
・料金/250円

二子浦温泉
TEL/0246-65-2115
住所/福島県いわき市勿来町九面坂下22-4
アクセス/常磐道いわき勿来ICより5分

会津みなみ温泉里の湯【福島県南会津町】

ここどう見ても街の電気屋さんなんですけど、温泉なんかあるんすか?えええ?なんでここに温泉があるの?そんな「ヘンな名湯」だってある。

会津みなみ温泉里の湯

つまり温泉がある“場所”がヘンというわけだ。福島県の南会津町にある「会津みなみ温泉 里の湯」。建物の外観はどう見ても街の電気屋さん。なんてったって、おなじみの青い電気屋さんの看板がドンと目立っているし、その横には「谷地電気」と書かれてある。ここにひとっ風呂浴びにいこうなんて思う人はまずいないはずだ。

しかし、よく見てみると「天然温泉 里の湯」と扉に書いてあるではないか。そう、「会津みなみ温泉 里の湯」は電気屋さんの中にある温泉なのである。なんと温泉に入れるというだけではなく宿泊もできちゃうっていうのだから驚きなのである。

会津みなみ温泉里の湯

会津みなみ温泉里の湯

もちろん、湯もいい。細かな赤い湯の華が舞う会津らしい湯。そんな湯に浸かりながら、ああ、自分は今、電気屋さんの中で湯に浸かっているんだなぁと思うと不思議な感じがしてくる。だってねぇ、電気屋さんですよ。そこに赤い湯の華舞う秘湯みたいな湯ですからねぇ。さすがは秘湯の宝庫、会津。フトコロの深さが違うって。

日帰り入浴DATA
・営業時間/10:00~21:00 ※1・2月は10:30~20:30
・定休日/なし
・料金/350円

会津みなみ温泉 里の湯
TEL/0241-72-2132
住所/福島県南会津町南会津町山口村上798-9
アクセス/東北自動車道西那須野塩原ICより90分

光風温泉【青森県つがる市】

さてさて、電気屋さんの中に温泉があるんだから、探せばもっと意表を突いたところに温泉があるかもしれない。

光風温泉

ハイ、あるんです。なんと、自動車整備工場の中にある「光風温泉」。ほら、さっきの電気屋さん以上に、ここに温泉があるなんて思えないでしょ?でもあるわけだから、近所の常連さんなんかがマイ風呂桶持ってこの敷地の中へ入っていくなんていう、なかなかシュールな光景に出くわしたりするわけ。

光風温泉

光風温泉

そんな光風温泉の湯は湯力のある薄茶色のモール泉。浸かった瞬間に、おお、これは身体に効く湯だとすぐにわかる。塩分濃度も高くて、湯から上がってもしばらくは汗がひかない。身体もシャキッとする。さすがは整備工場の湯だけあって、身体もしっかり整備されたかのような感じがするのだ。

日帰り入浴DATA
・営業時間/6:00~20:00
・定休日/なし
・料金/250円

光風温泉
TEL/0173-42-1496
住所/青森県つがる市森田町下相野野田73-3
アクセス/津軽自動車道つがる柏ICより6分

吉尾温泉 公衆浴場【熊本県芦北町】

不思議過ぎる!でもその湯は温泉マニアが、なんとしてでも行きたい足元湧出湯なのである。

吉尾温泉 公衆浴場

さて、最後に紹介したいのが、熊本県の吉尾公衆浴場である。ここもまた、なんとも不思議ちゃんな温泉なのだ。建物の外観はどう見ても普通の一軒家。温泉の看板もなにもなく、まぎらわしい表札まであるので、ここの温泉にたどり着ける人は、ここに温泉があると知っている人ぐらいだろう。でも、れっきとした温泉施設なのである。

吉尾温泉 公衆浴場

中に入ると上がり框があって、その先に引き戸があるので、普通はその奥に温泉があると思うだろう。でも、そこではない。右側に暗い地下へと降りていく鉄製の重々しい螺旋階段があってそこを降りていかなければならない。え?ここ降りてくの?と、ちょっとひるむような暗い螺旋(らせん)階段。

吉尾温泉 公衆浴場

ドキドキ・ワクワクしながら螺旋階段を降りていくと、簡素な脱衣所があって、その奥に飾りっ気ゼロな浴室があって大人2人入ればいっぱいなようなこぢんまりとした湯船がある。

吉尾温泉 公衆浴場

吉尾温泉 公衆浴場

さて、この温泉、実は只者ではない。ここの湯は湯船の底から直接源泉が湧き上がってくる、全国でも貴重な足元湧出湯だったりするのだ。だから浴感もたまらなくピュアで浸かっていて、とっても気持ちいい。まさかあの不気味な螺旋階段を降りたところにこんな極上湯があるなんてボクもびっくり、そして感激したものだった。超穴場感のある「ヘンな名湯」といえば、ここがピカイチだろう。

日帰り入浴DATA
・営業時間/7:00~19:00
・定休日/なし
・料金/170円

吉尾温泉 公衆浴場
TEL/なし
住所/熊本県葦北郡芦北町大字吉尾24-3
アクセス/南九州西回り自動車道芦北ICより25分

まとめ

「ヘンな名湯」いかがでしたか?どれもヘンで超個性的。それでもって湯はとってもいい。このアンバランス感がまさに「ヘンな名湯」の醍醐味なのだといいたい。

こういう温泉ばかり浸かっていると、あなたもまた、もう普通の温泉じゃあ物足りなくなってしまうかもしれません。そう「ヘンな名湯」はクセになる。でも、それでもいいじゃありませんか。そのほうが人生楽しいかもしれませんよ。

■岩本 薫(いわもと かおる)
岩本 薫
1963年東京生まれ。本業のコピーライターのかたわら、webマガジン「ひなびた温泉研 究所」を運営。日本全国のひなびた温泉をめぐって取材をしている。著書「ヘンな名湯」 「ひなびた温泉パラダイス」「戦国武将が愛した名湯・秘湯」

※この記事は2019年8月時点での情報です

■消費税の税率変更に伴うお知らせ
2019年10月以降に係るお支払につきましては、施設利用時に現地にて税率変更による差額分のお支払いが発生する場合がございます。実際のお支払い金額に関しましては、ご利用いただく施設までお問い合わせください。

じゃらん編集部  じゃらん編集部

こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。

Topics

tag

この記事に関連するエリア

この記事に関連するキーワード